歪な愛 |
2008年4月14日 19時56分
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これは愛なのだろうか。
多分違うのだろう。
愛ならば、もっと狂おしく、そして、もっと暖かいはずだから。
「・・・・・・ディス」
呼んでも起きないのはいつものこと。
もとより期待していない。
起きなくていい。
起きなくて、いいのだ。
一度呼んだだけでは安心できず、もう一度、呼ぶ。
「ディス」
彼にも私にも、最初は名はなかった。
これは私たちを買う彼らが、適当に付けた名前。
でも別にいい。
それについては、何の感慨もない。
名前など、どうでもいい。
肝心なのは、そう。
手に慣れた銃を取り出すと、心が高鳴った。
つい、微笑みそうに、なる。
身体がぞくぞくして、えもいわれぬ快感に瞳が潤んだ。
肝心なのは、大切なのは、名前なんかではなくて。
この手であれを殺すこと。
「・・・・・・あー・・・。・・・朝?」
「・・・・・・違う」
ああ残念だ。
とても、残念だ。
今日もまた、殺せなかった。
これは、愛なのだろうか。
否、多分違うのだろう。
愛ならば、もっと狂おしく、そして、もっと暖かいはずだから。
//ディスとフィア
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