安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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歪な愛
これは愛なのだろうか。
多分違うのだろう。


愛ならば、もっと狂おしく、そして、もっと暖かいはずだから。


「・・・・・・ディス」

呼んでも起きないのはいつものこと。
もとより期待していない。
起きなくていい。
起きなくて、いいのだ。

一度呼んだだけでは安心できず、もう一度、呼ぶ。



「ディス」



彼にも私にも、最初は名はなかった。
これは私たちを買う彼らが、適当に付けた名前。
でも別にいい。
それについては、何の感慨もない。

名前など、どうでもいい。

肝心なのは、そう。

手に慣れた銃を取り出すと、心が高鳴った。
つい、微笑みそうに、なる。
身体がぞくぞくして、えもいわれぬ快感に瞳が潤んだ。

肝心なのは、大切なのは、名前なんかではなくて。



この手であれを殺すこと。


「・・・・・・あー・・・。・・・朝?」
「・・・・・・違う」

ああ残念だ。
とても、残念だ。

今日もまた、殺せなかった。






これは、愛なのだろうか。
否、多分違うのだろう。


愛ならば、もっと狂おしく、そして、もっと暖かいはずだから。













//ディスとフィア
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