初夢 |
2008年1月2日 02時14分
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夢を見た。
哀しいのか苦しいのかそれとも嬉しいのか、わからない、夢。
或いはそれは未来だったのかもしれない。
ぼくの能力が予知夢となって現れることは、そんなに珍しいことではなかったから。
それはぼくが死ぬ夢だった。
起きたら泣いていた。
ぼくはナイフか何かで刺されていて、一瞬では死ななかった。
立つことのできないぼくを、誰かが抱いてくれていた。
ぼくは死にたくなかった。
だけど一人で死なないことが、嬉しかった。
誰かは血の止まらないぼくを抱えて、泣いていた。
ぼくは、それが。
嬉しかった。
けれど、泣かせてしまったことが、哀しかった。
苦しかった。
せめて、一言。
言いたいと思う。
夢なのに、思考は夢だと知らないから、それは真剣な「想い」だった。
奇跡を願う。
声よ。
喉よ。
一言。たった一言で、いいから。
「――――――・・・、・・・・・・」
ありがとう?
ごめんなさい?
さようなら?
ううん、違う。
ぼくが、言いたいの、は―――――
そしてそこで、ぼくは目を開けたのだ。
誰だろう、と、思う。
ぼくが死んで泣く人なんて、誰もいないのに。
刺されて倒れて、支えてくれる人なんて、誰も。
心理学的に、夢は願望の形なのだと聞いた。
願望と経験が交ざる、幻。
「自身の死」。
意味は逃避か、離脱。
奇しくもそれは、今年の初夢だった。
願望か幻か、それとも未来か。
ただ真実とわかるのは、夢に感じた感情だけ。
//19歳
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