どんな卑怯な手を使っても |
2007年12月22日 18時02分
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「このっ・・・卑怯者が・・・!!」
それが、俺が撃った男の最後の言葉だった。
つまらない台詞だと思う。
卑怯の何が悪い?
正攻法で行かなければならない意味はどこだ。
察せなかった己を呪え。
色々言い返せる言葉はあったが、あえて何も言わない。
言う意味はない。
どうせもう、冷たくなっている。
死体をそのままにドアへ向かえば、入り口に立っていた男が跪く。
感慨もなく見下ろして、視線だけで発言を促した。
男は淡々と、頭を垂れる。
この男は、それなりに使える道具だった。
「もとより私の『持ち主』は貴方ですが、今日からは『ボス』になられたので、一応改めさせて頂こうかと」
どうでもいい。
そういえば、そうですかと返事を返し、男は立ち上がる。
これでこのファミリーは俺の物だ。
だが、今のままでは使えない道具が多すぎる。
「無駄なことをしている暇があるなら、動け」
「はい。まずは誰を」
此処で「何を」と問わないところが、コレの使える所なんだが。
他はほとんどが、そうはいかない。
無能で無意味な烏合の衆。
考えようによっては、鳥よりもたちが悪い。食えるわけでもない。
塵か埃。
ゴミを捨てていかなくては、鬱陶しくて仕方がない。
「まずはキースとグレイン。その部下数名」
「末端は私の判断で構いませんか?」
「末端はいい。どうせ邪魔にすらならない」
「わかりました」
「上」へ上ると俺は決めた。
俺の考える「上」は、こんなところではない。
まぁ頂点に上ったからと言って、何があるわけでもないが。
こうでもしていなければ、この世はあまりにも暇すぎる。
これから更に、俺は高みを踏む。
そう、それこそ。
どんな卑怯な手を、使っても。
//樹 閃月
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