照れたように笑う顔 |
2007年10月13日 02時17分
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ぼくがちょっと君を褒めると、君は笑った。
照れたようにはにかんで笑う君が、ぼくは好きだった。
唯一の「友達」だった。
心を許せる、たった一人の。
「使用者」と一緒でなければ一歩も建物の外に出られないぼくの、話し相手に連れてこられた君。
ぼくさえ居なければこんな場所には来なくて済んだ、被害者だった。
此処に買われたぼくが、あまりに気の置けない環境に塞ぎこんで。
「仕事」に支障が出始めたための、打開策。
ぼくは彼女が好きだった。
そして彼女は。
ぼくの目の前で、撃たれて死んだ。
笑顔が好きだった。
ぼくが褒めると照れたように笑う顔が、好きだった。
けれどもう、その笑顔は永遠に見れることはない。
動かない過去に、時折振り返るのみでしか、あの笑顔には会えない。
やがて埋もれて小さくなっていく、けれど絶対に忘れられない大切な記憶。
//17歳
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