傾いた塔 |
2007年9月11日 02時44分
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ぐらりと。
ぼくの中で、高い塔が音を立てて傾いた。
心が、急速に沈んでいく。
糸が切れた人形のように、その場に崩折れた。
思考が真っ白に染まる。
もう、いい。
そう、思った。
もう、いい。
ぼくは今まできっと、それなりに、頑張った。
どんなに苦しくても、哀しくても、申し訳なくても、泣きたくても。
たくさんの人を犠牲にして、幾つも罪を犯しても。
それでも、生きた。
それは誰のためでもない、ただ自分のためだった。
ぼくは、生きたかった。
生きたかった。
生きて、いたかった。
そしていつか、いつか。
そんな資格はないかもしれないけど、幸せに、なりたかった。
でも、もう、いい。
倒れないように必死に支えてきた塔は、もうボロボロだ。
もう保たない。
今度ばかりは、もう、駄目だ。
傾いた塔は、そのままぼくという人格を支える柱。
もう後は、倒れて崩れるのを待つばかり。
願いを持ったのがいけなかったのか。
自由を望んだのがいけなかったのか。
命を捨てられなかったのがいけなかったのか。
生まれてきたのがいけなかったのか。
多分ぼくは、存在してはいけなかった。
どうして生まれてきてしまったのだろう。
神様は、どうしてぼくのようなモノを作ったのだろう。
どうしてぼくは、もっと早く、諦められなかったのだろう。
頑張らなくて、よかったのに。
頑張らなければ、よかったのに。
涙が一筋頬を伝って、床に小さな染みを描いた。
//22歳?(21歳以降)
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