安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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それが親心
子供の幸せを願わない親は居ない。
そんな言葉を見るたびに、思うことがある。

――――――――本当に?

「それが親心というものです」
「そうですよね」

確か話していたのはテレビの中の、有名なコメンテーター。
相槌を打っていたのは、アナウンサーだっただろうか。
よく覚えていないが、とにかく、そんな会話を耳にして。

“親心”。
ぼくは「それ」がよくわからない。
ぼくは「それ」を、知らない。

あの人たちの中にも、そんな心はあったのだろうか。

いつも笑っていた母。
優しい父。
けれどぼくも兄さんも、簡単にお金に変えた人たち。

幻聴が、聞こえる。

歌うような声で。
優しい穏やかな声で。
覚えている、好きだった声で。





「お母さんはね、花梨が大好きよ」
「もちろん、父さんもそうだ」

「だって、あなたは高く売れるんだもの――――――・・・」




首を振る。
違う。あの人たちは、そんなに酷い人たちではなかった。
ただ、普通ではなかっただけで。
ただ、普通とは違っただけで。
ただ。
それが「酷い」と、理解できなかっただけで。

計算尽くではない。
本当に純粋に、ただ、ぼくを売ればお金が手に入ると気付いてしまっただけ。

「大好きよ、花梨」

それは偽りのない本心。

「さようなら、花梨」

これも偽りのない言葉。

「「元気でね」」

これすらも。
紛れもない、真剣なエール。

二人はぼくの幸せを願っていた。
でもぼくを幸せにしてくれる気はなかった。
二人はぼくを好きだった。
でもそれよりも、お金の方が好きだった。

ねぇ。

おやごころ、って、なんですか?









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