安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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人は悩んで大きくなるの
遠い昔、言われたことがある。
確かあれは、小学校の先生だった。

「悩み事?」

友達の少ないぼくを、何かと気遣ってくれた若い先生。
義務だったのか同情だったのか、それはよくわからないけど。
ぼくはその先生が好きだった。
・・・・あの頃ぼくに、嫌いな人なんていなかったけど。

それはぼくが売られる未来を視た頃。
授業の時間も休み時間も、そのこと以外考えられなかった頃。

頷くぼくに、先生は「そっか」と頷いて、隣に座って。
微笑んで、言ったのだ。

「悩むのは悪いことじゃないわ。人は悩んで大きくなるの」

答えが出ない悩みでも。
それは有意義なのだろうか。
悩めば悩むだけ、神経は磨り減り心は傷つくことでも。
悩んでも、悩んでも。
誰かを傷つける答えしか、見つからない悩みでも。

それは、いいこと?

取捨択一。
ぼくは選んだ。

「――――その、人が」

近い未来入ってはいけない場所に入る、二人の人。
一人の未来(さき)には待っている人が居て。
一人の未来(さき)には、家族はもう誰も居なかった。

誰もいないとは。
ぼくには、告げられない。

だから。

悩んで悩んで悩んで、そして。

ぼく、は。


決める。




「あの部屋に入ろうとする、人」




なんて、傲慢なんだろう。
ぼくにどんな権利があるというのか。
死ぬのが恐い、自由になりたいと、それだけで。
誰かを犠牲にするのを選ぶとは。

――――――御免なさい。

御免なさい、ごめんなさい。

ごめんなさい。



ねぇ、先生。

これでもあなたは、悩むのはいいことだと、言えますか。









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