安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で
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少しは心配してくれた?
2007年9月29日 23時33分
兄さんのお墓がわかってから、ぼくはたまにそこに足を向けるようになった。
特に用があるわけではない。
静かな墓地の一角で、お花だけ変えて、佇んでいるだけ。
けれどそれが、何故か、妙に落ち着く。
「ねぇ兄さん」
あなたは優しい人だったと、あなたの友達が言っていた。
ねぇ、兄さん。
「もしあなたが生きていたら、生きていて、妹(ぼく)が居る事を知ってたら」
聞こえはしないことはわかってる。
此処にあるのは兄さんの骨。
兄さんの、お墓。
当然、答えもない。
けれど、ぼくはよく此処で誰も居ないお墓に話しかける。
「少しは心配してくれた?」
聞く人も、答える人も、居ないけど。
何故かぼくは、とても、安心する。
何故か。
誰かが聞いてくれたように、穏やかな、気分になる。
//21歳
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