安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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そりゃまたベタな展開で
「・・・・。・・・遅刻しそうでパン食べながら歩いてたら曲がり角で男の子と打つかって、ちょっとカッコよくて惹かれたら実は転校生で隣の席だった?」

事実は小説より奇なり、とか。
人生何が起こるかわからない、とか、よく言うけど。


・・・・そのベタな展開は何。


「それ、いつの少女マンガ?」
「作り話ではない。実際にあった話・・・だそうだ」
「・・・・・そりゃまたベタな展開で・・・」

此処古書喫茶の常連である「魔法使い」の東雲さん。
昼間はとある店で占いのようなことをしているそうで、その占いに来た女の子がそう言ったらしい。
目を輝かせながら語る人を思い浮かべようとして、失敗した。
ぼくには無理だ。

「おぬし、有り得ると思うか?」
「・・・あんまり」
「だろうな。わたしもだ」
「あ、やっぱり」

大体「遅刻しそうで」、ってことは学校に向かって歩いてたわけだから、前から来た人が転校生、っていう確率はかなり低いと思う。
どこからどこへ行こうとしてたの、その人。

「・・・それで、どうしてそんな話を?」
「その馬鹿娘の未来を視てくれないかと思ってな」
「・・・・・・・・は?」
「そしてそれを占い結果として伝える!どうだ、妙案だろう!」
「東雲さん、それ詐欺って言うんですよ。もしくは騙り」

予知のことがばれたのはぼくの不注意だった。
本棚が倒れる画が視えて、青の手を引いて足をとめさせた。
それならそれで普通は終わりのはずだったのに、何故か青は笑って問うた。

「不動さん、未来がわかるんですか?」

・・・・覚りの妖怪か?
一瞬そう思い、つい頷いてしまって。
その時店にいた客たちも耳に入ってしまって。
奇異の目を向けられるとか、嘘だと決め付けられるとか、色々過ぎってどうしようと思ったのだけど、何故かあっさりと「へぇ」みたいな感じで受け入れられてしまった。
この店は、客も主も従業員も、何処か不思議だ。

そこで東雲さんの携帯電話が鳴って、東雲さんはメールを開き。

「あ」
「・・・・どうかしました?」

「今度はその“運命の転校生”が実は双子で、三角関係になったって」

・・・・・・・・・・・・・・。
凄い人も居るものだ

「何か視なくてもわかりそうな気がしてきますね」
「うん、次はきっと男同士の争いに割って入って「私の為に争うのはやめて!」かな」

此処まで王道を突っ走る存在は、逆にレアかもしれない。









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