安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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ときめき
甘く暖かい感覚が、身体に浸み込んで行く。
それは雪のように柔らかく降り積もって、雪とは違い触れても消えない。

あの人の名前を呼ぶ度に。
あの人の姿を見る度に。
あの人の声を、聞く度に。

それはどこからか生まれて、確かに降り注ぐ。

どうしてそんなにも、ぼくに優しいのだろう。
どうしていつも、ぼくの望みを叶えてくれるのだろう。
ぼくだけに優しいなんて、馬鹿な自惚れはないけれど。
優しくされる資格なんてないぼくにも、彼は優しい。

ぼくが予知によって突然現れても、気味の悪い顔一つせず笑ってくれる。
ぼくの所為で嫌な目にあっても、ぼくとまた会ってくれる。
ぼくを。
友達と、言ってくれる。

それは感動に似た、小さな胸の震え。




―――――ぼくは、あなたが、とても、好きです。









//21歳
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