安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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この広い世界のどこで
ぼくは自分の目で見た事のある人の未来しか視れない。
意図的でも偶然でも、直接目で見たことがなければ基本的に未来は視れない。
場所に関しては、見たことがあるだけでは駄目だ。
ぼくが居る場所の未来のみ、視れる。
それがぼくの異能。

でも、それが全てではない。

5年に一度かそれくらい。
本当に稀に、ぼくが知らない場所の、知らない人の、未来が見えることがある。

それはまったく操作できなくて、不意に浮かぶ映像。
他愛もない未来だったり悲惨なものだったり、それも様々。法則性はない。
もしかしたら、幻覚なのかもしれない。
そう思うほど、まったく見知らぬ風景が、目に映る。
それが視えたところで一体何処だかも解らないから、無用だと、マフィアは判断した。
ぼくも、そう思う。
本当に稀だし、どうにも、できない。
視える、だけ。
本当に、視えるだけだ。

この広い世界のどこでそれが起きるのか、ぼくには検討も付かない。

本当に起きるのか。
本当に、それは未来なのか。
本当に。
その場所は、この世界にあるのか。

どれもわからない。
ぼくは、何故かそれが視えるだけ。

そしてまた、それは不意に視界を過ぎった。

崖が。
崩れる、光景。

思わず、立ち上がる。
無意味な仕草をしたぼくを、何人かが奇異の目で見やった。

それは言ってみれば、ただの、白昼夢。
本当にそれが起こったか確かめようがないのだから、幻と大差ない。
けれど。
けれど、もし。

世界のどこかでそれが起こっていて、ぼくはそれを知っていたのに、放置しているとしたら?

身も知らぬ場所の光景が視えるのは本当に稀だから。
普段はあまり、思い出さない。
けれど視えてしまうと、暫く、囚われる。

あれはどこの。
あれは、いつの。
未来?

もし解っても、結局ぼくには何もできないのに。

思いは尽きない。

この、広い広い世界の、どこで。

―――――いつか、これが予知なのか幻なのかを確認出来る日が、来るといい。
そして、その時には。

ほんの少しだけでもいいから、何か、できればいい。









//17歳
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