安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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あとの祭り
気付いた時には、大抵が。


もう、遅い。







未来は選択によって変化する。
すぐ先の未来ほど変わり難く、時間が開く未来ほど変わり易い。
それはその未来が来るまでに、幾つの選択が可能かで変わるのだ。
選択は無限にある。
一歩踏み出すか、踏み出さないか。
目を開けているか、閉じるか。
たったそれだけの選択でも、未来は時に変わる。
もちろん変わらない時もある。
そう。変わって欲しい未来ほど、何をどうしても、変わらないのだけど。

「――――――――・・・・」

ああ。

どうして。

どうして、こんなことに。


「・・・・、・・・・・・・・、・・・・・・」

声が、出ない。

立っていられなくなって、その場にへたりこむ。

絶望に心が塗り潰されて、ただ涙だけが、頬を伝った。

ぼくは選択を間違えた。
知っているのに。
わかっているのに。
先がどうなるか、理解していたはずなのに。
どこで変わってしまったのだろう。
どこで、間違えて、しまったのだろう。

どこで。

こんな未来に、してしまったのだろう。

「・・・っ・・・・・・・・」

ああ。

ああ、もう、誰か。







誰かもう、ぼくを、殺して。











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