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何か恵んでください
2008年2月19日 14時12分
「ひーちゃんひーちゃん」
かつて人であった時の名を連呼する声に、ゆっくりと振り向く。
否。正確に言えば、かつて人であった時の名を勝手に愛称化して連呼しているわけだが。
「・・・・・・」
「何か恵んで」
「・・・・・・・・・」
・・・唐突すぎて何が何だかさっぱりわからない。
そもそも相手にする気が失せてくるのは私の所為だろうか。いや、恐らく違う。
「・・・・・・」
数秒だけ、正面から声の主を一瞥して。
両手を器にしてにこにこ笑っている顔にため息を吐き、次の瞬間。
無視することに、決めた。
ふいと顔を逸らし、姿を消す。
どうせいつもと同様、することは何もない。
ただこの世のどこかに、在ればいい。
「あー!ひーちゃん酷い!何かくれたっていいじゃん!!」
消える寸前聞こえた声に、眉を寄せた。
まぁどうせ、目隠しで見えはしない。
何故私がお前に何か恵まねばならん。
お前に何かやるくらいなら、それこそあの子に何か渡す。
//カミサマ
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