安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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世界を見下ろす丘
此処は世界を見下ろす丘。

ひーちゃんが好きな「あの子」を見下ろす丘。

俺が過去を見下ろす丘。

「瞳」をひーちゃんに返して、「宝」を壊されて、力尽きた「人」が見えた。
ただの人。
世界に存在している生物。

けれど、ひーちゃんの「あの子」。

ひーちゃんにはいつも呆れたような不可解そうな無言の圧力を貰うけど、俺はあの神が好きだった。
特に、眼が。

なのにひーちゃんは瞳をあげて、だから目隠しで、俺はあの眼が見れなくて。
うん。
そう、ひーちゃんによく言われる通り俺はまだ「若い」から、だからかもしれないけど。

嫌いなんだよね、お前。

俺の好きなひーちゃんの好きな「あの子」。

「・・・・・・不動、花梨?だっけ?」

打ち拉がれた人間。
壊れかけた、矮小で脆弱な、醜いイキモノ。

でもまだ甘いんだよ。

「ひーちゃんからの“ギフト”は受け取って、俺のは貰わないなんて、言わないよな?」

俺の好きなひーちゃんの眼を高々十数年とはいえ持っていた、俺の嫌いな人間さん。

俺から素敵な贈り物を、あげよう。

「短い『普通』は楽しかった?」

一生「異端」と呼ばれるがいい。










//カミサマ?

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