ここから一歩踏み出せば |
2008年4月7日 18時42分
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永遠に逃れることはできないのだと。
泣きたくなるくらいに無情に、知った。
ここから一歩踏み出せば、もう、戻れない。
儚い夢を抱いた、ぼくが間違っていたのだろう。
光の側に。
こんなぼくでも戻ってこれると、浅はかな、夢を見た、ぼくが。
ああどうして。
ああ。
どうして、こんなことになるんだろう。
もうぼくに、予知の力はないに。
この子には、なんの、罪も、ないのに。
ただ。
ただただ、健やかに、普通に。
普通、に・・・・・・!
どうして。
「いやぁ・・・!匠っ・・・・・・!たくみぃっ!!」
狂ったように、名前だけを繰り返す。
呼んで、呼んで、答えはなくて、でもやっぱり呼んで。
捕まれた腕は動かなくて、行きたい場所には届かなくて、抱き上げることもできなくて、呼ぶことしかできなくて!
愛らしい頬に流れていた涙はいつの間にか枯れて乾いて、目からも光が消えていく。
「・・・・・・っこんなのっ・・・・・・!」
嫌だ。
いやだ。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤタ・・・!
「こんなの、いやぁああ!っ!」
ねぇお願い。
ねェ、お願い、だよ。お願いだからっ!
お願いだから、誰か、嘘だと、悪い夢だと、言ってください。
//29歳くらい?
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