命の重さ |
2007年12月7日 06時40分
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「此処」では、命は軽い。
哀しいことに、とてもとても、軽い。
昨日立っていた人が次の日にはいなくなっている。
そんなことは珍しくもなくて。
目の前で人が死ぬことも。
やっぱり珍しくなくて。
殺せと指示が下され、それが実行されることも。
珍しいわけが、ない。
麻痺していく。
嘆きが潰えていく。
何も思わなくなっていく。
死は事象ではなくなり、ただの数字と成り果てる。
ぼくのところまで届く死は、あまりないのだろうけど。
それでも尋常な感覚は、消え失せていく。
重いのは情報で。
重いのは金銭で。
重いのは権力。
命は皆、使い捨て。
それはだって、「彼」が、はっきりそう、言うから。
「使えるモノだけ使ってやる。使えないモノは死ね」
あとは右に倣えだ。
昔は違ったのだ。
ぼくを最初に買った先代の「ボス」は、いい人では決してなかったけど、「彼」ほど極端ではなかった。
少なくとも、ファミリーは守っていた。
ゴッドファーザー。
その名前を体言していたような、ボス。
それでもやはり、ファミリー意外の人間の命はとても軽かったけど。
「彼」の。
今の「ボス」の前では、命は塵芥に等しい。
利用する、利用する、利用する。
生も死も、利用できるモノは全て。
命の重さが、狂っていく。
重さを測る天秤の片側には、一体、何が乗るのだろうか。
//18歳
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