安 蘭 樹 の 咲 く 庭 で

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土の下
夢を見た。
ぼくは丸い月の下、冷たい土に座って必死に土を掘っていた。
爪は剥がれ、土に汚れた指からは血が滲んでいた。
それでもぼくは泣きながら、ずっと、幾つも幾つも穴を掘った。

目が覚めたら、頬に幾つも涙の後が残っていた。

あれはどこだろう。
目覚めの、朦朧とした意識で考える。
冷たい光景だった。
木も何も生えていない、荒涼とした、風景。
生々しい土の感覚が、手に残っているような気さえ、する。

ぼくは何かを言っていたような気もする。
けれどただただ泣いていただけのような気もする。

土の下。
埋まっている、可能性が、あるもの。

何もない風景にたった一つ立っていた大きな十字架が、脳裏に鮮やかに焼きついていた。

埋めようとしていたのか。
掘り出そうとしていたのか。

あれはただの夢だろうか。
それとも未来の光景だろうか。
それとも、ぼくの中にある、風景なのだろうか。

穴を掘る。
穴を、掘る。
幾つも幾つも、穴を。
何かに憑かれたように、ただただ、土を掘る。

それはきっと。

「・・・・起きろ。仕事だ」

ベッドの上でぼくが涙を流していても、彼は何も言わない。
言うわけがない。
生きていれば、否、予知ができれば、それ以外に興味はない。
ぼくは黙って起き上がって、ただこくりと頷いた。

頭の中に、あの風景は消えない。
掘った土の、冷たい感触も。

きっとあの、土の下には。

「行くぞ」
「・・・・はい」

ぼくが今まで犠牲にしてきた人たちの、屍が埋められているのだろう。









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