スキャンダル |
2007年9月6日 23時47分
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「一週間、こいつの未来を見続けろ」
いきなりそう言われ、テレビの画面を見せられた。
そこにはぼくでも知っている、有名映画スターが映っている。
「・・・・この人?」
「ああ。こいつの未来を見て、スキャンダルになりそうな場面を言え」
「スキャンダル・・・・?」
「ああ」
何それ。
一番最初に思ったのはそれだった。
今までで一番変な仕事だ。
同じ人物の未来を見続けるのは好きではないが、それほど見るのが恐い仕事ではなさそう、というのが正直なところ。
「・・・・映像だと、少しキツイよ」
「明日実物を見せてやる」
「・・・そう。わかった」
スキャンダル。
要は、愛人とか、借金とか、そういうものだろう。
一体何に使うのかと思わなくもないけど、聞かないほうがいいことはわかってる。
知らないほうが、いい。
知ってしまえば、視るのが嫌になる。
きっと、よくないことだ。
しかしそんなぼくの思考を見透かしたように、男は言葉を続ける。
「脅しの材料にするんだよ。「必ずわかる」なら、誘拐よりも手っ取り早いからな」
「・・・・聞いてない」
この男は。
ぼくの嫌がることをするのが得意だ。
なんでそんなに、と思うくらい、的確に。
こういうことを、する。
「・・・・・明日までは何もないってことだよね。出てってくれる?」
「これは失礼?じゃあな」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ああ。
やはり、聞かなければ、よかった。
//16歳
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